日本酒を選ぶ時って何が良いのかわからなくて困りますよね。散々迷った挙句に知っている銘柄に手を出してしまいがちです。
3つのポイントを覚えれば選ぶ時の基準になったり、気になった日本酒がどういうタイプのものかがイメージできるようになると思います。
- 甘口辛口
- 純米とは?(特定名称)
- 無濾過生原酒
甘口・辛口
なんとなく辛口が旨いというイメージの方も多いと思います。
では辛口の定義とは何でしょうか?
実は味が甘く感じるか辛く感じるかではないのです。
日本酒の甘口辛口は「日本酒度」という数値で決まります。
この数値は比重で測ります。つまり「水に対して浮くか沈むか」です。
糖度が高いほど重いのです。
カクテルで何層にも分かれているのをイメージするとわかりやすいです。
水に対して浮く日本酒は「辛口」沈む日本酒を「甘口」と表示します。
ラベルを良く見ると+5とか-6と表示されています。
日本酒度がプラス表示が辛口でマイナス表示が甘口です。
ところがこの日本酒度は数値と味が比例しないことがあります。
+3と+6の日本酒で+6の日本酒のほうが甘く感じる時があります。
実際に飲んで感じる味では香りや酸度(酒の濃淡を表す数値)が影響するからです。
なんだか余計にわからなくなってきました。わかりやすくまとめます。
『甘口辛口は日本酒度という数値で決まる』
日本酒度だけでは実際に甘いか辛いかはわからない』
つまりは『甘口辛口はこだわる必要なし』ということです。
純米とは?(特定名称)
純米酒がなんとなく良い日本酒というイメージの方もいると思います。
大吟醸は高級酒というイメージです。
日本酒の定義は酒税法という法律で決められています。
- 必ず米、米こうじを使用すること。
- 必ずこすこと。(モロミをろ過して液体にする)
- アルコール度数が22度以下であること。
つまり、米と米こうじが原料の、ろ過されたアルコール22度以下のお酒」ということです。
その他にも、醸造アルコールや糖類、酸味料、アミノ酸などの使用が認められています。
酒税法では「純米」とか「大吟醸」などの呼称を「特定名称」と分類しています。
それに対していわゆるスーパーなどで売っている紙パック酒を「普通酒」と分類しています。
特定名称は「純米」とつく方は米、米麴、水だけで造られています。
本醸造、吟醸、大吟醸は味を良くする目的で少量の醸造アルコールが添加されています。
また特定名称では雑味を減らす目的で、原料の酒米の周りを削り芯の部分だけを使用します。50%以上削ると大吟醸、40%以上で吟醸です。純米、本醸造は以前は70%以上の規定でしたが、現在は規定がなくなりました。
『純米酒は米、米麴だけで添加物なし』
『酒米の削り具合で吟醸、大吟醸と呼ぶ』
特定名称の日本酒は米、米麴で造られる。添加するにしても少量の醸造アルコール(甲類焼酎のようなもの)を味を良くする目的で添加した一定基準をクリアした良質の日本酒です。
一般的には米を多く削ることで雑味が減る。醸造アルコールを少量添加することでキレと香りが良くなると言われています。
対して普通酒は増量目的で醸造アルコールを添加し加水します。日本酒の味が薄くなるので糖類、酸味料、アミノ酸などを添加して味を調えます。
無濾過生原酒
日本酒のラベルに無濾過生原酒と書いてあると凄い良い酒のような気がします。
実際はどんな意味でしょうか。
無濾過」「生酒」「原酒」とそれぞれに製法が決められています。
- 無濾過 もろみを絞った後に不純物を取り除くために炭素ろ過という工程をしていない酒。
- 生酒 品質保持のための火入れという工程をしていない酒。
- 原酒 アルコール度数を調整するための加水という工程をしていない酒。
つまり無濾過生原酒とは『ほぼ出来立てそのままの日本酒』ということになります。
通常の日本酒は上記の「ろ過」「火入れ」「加水」という工程で味を調整して出荷されています。
あえて味の調整をしないで出来立てそのままの味を提供するということは蔵元の自信作なのかもしれません。
一方、味の調整をしないということは品質保持や安定性の部分で不安も残ります。
最後までお読みいただきありがとうございます。
日本酒選びに迷った時には今回の3つのポイントを参考にしていただければ幸いです。